Presets(プリセット)

オブジェクトのビヘイビア、コンポーネント、パラメーターをカスタマイズして、保存することができる機能です。

プリセットについて

プリセットとはパラメーター、ビヘイビア、コンポーネント、メッセージ、トリガーなどを毎回設定する必要がないようにオブジェクトの設定を保存して、再度設定する必要がないようにあらかじめプリセットとして保存しておくことができる機能です。 プリセットを使うことで特定のオブジェクトを再度使用する際に時間短縮ができるだけでなく、トリガーの発生後まで体験に表示されないオブジェクトをカスタマイズすることもできます。

プリセットの作成

プリセットは簡単に設定することができるので、ここでは倒された時にコインを落とす敵に対してプリセットを作成するという例を使ってプリセットの作成方法を紹介します。

アセットを選択

まずはカスタマイズするアセットを選択して、シーンまでドラッグします。ここでは「Skeleton Warrior」を使って説明します。

オブジェクトをカスタマイズ

Properties Panel(プロパティパネル)からビヘイビアやコンポーネントの編集を行います。

Skeleton Warrior のプレイヤーに対する攻撃力を上げたい場合は右側のパネルからBehaviour のタブを開きMelee Enemy(近接エネミー)を選択します。

Melee Enemy は倒されることを想定しているため、Melee Enemy のビヘイビア を使用するとオブジェクト にはHealth(体力)のコンポーネント がデフォルトで設定されます。

Edit Logic(ロジック編集)を開いてパラメーターを設定します。

Skeleton Warrior が倒されてコインを落とすという設定を行う場合はAdd Component(コンポーネントを追加)をクリックしてDrop(ドロップ)を選択します。

Drop Condition(ドロップ条件)をDeath(死亡)のままにして、Type of Drop(ドロップタイプ)をBehaviour へと変更します。

Type of Drop にはプリセットのオプションもあります。プリセットが保存されると体験に登場していないElements(エレメント)をカスタマイズすることができます。

Asset to Spawn(スポーンするアセット)ではMarketplace(マーケットプレイス)で購入した「Flashing SAND Coin」(光るSAND コイン)を使い、Collectible(コレクティブル)コンポーネント を追加してコインが落ちた時にアバターが拾えるように設定します。

プリセットを保存

ビヘイビアやコンポーネントでカスタマイズされたオブジェクトがあればプリセットとして保存することができます。

新規のプリセットを作成するポップアップが表示されます。また既に設定してあるプリセットがある場合はそのプリセットが表示されます。

Create New(新規作成)をクリックしてプリセットに名前を付けてDone(完了)をクリックします。

これで保存が完了したのでプリセットはいつでも使用できる状態になっています。

プリセットにアクセス

プリセットにアクセスするには「L」キーを押してライブラリを開きます。ライブラリ左側にあるフィルタリストからPreset をクリックします。

プリセットの一つがシーンから削除されてもライブラリから簡単に復元することができます。

既にビヘイビア、コンポーネント、パラメーターがカスタマイズされていることを除いて、プリセットは他のオブジェクトと同様にツールバーに追加したり、シーンに直接配置することができます。

プリセットには白いアイコンがあるため識別しやすくなっています。

プリセットをアップデート

プリセットは編集を加えて簡単にアップデートすることができます。

プリセットをアップデートするにはライブラリを開き、アップデートしたいプリセットをシーンまでドラッグして選択します。

希望する変更を加えます。下の例では、Skeleton Warrior のTotal Health(全体力)を減らして倒しやすくするという変更を行っています。

オブジェクトを選択した状態で左側にあるツールバーのPreset をクリックします。

プリセットのウィンドウがポップアップとして表示され、既存のプリセットを選択し、名前の変更を行うことができます。

Done(完了)をクリックしてアップデートが完了です。

プリセットの名前を含めたすべての変更はライブラリ内でアップデートされます。またアセットスポナーやDrop の コンポーネントと共に使用された場合もアップデートされます。

プリセットをアップデートしても体験内の前のバージョンのものは自動でアップデートされません。その場合はHierarchy(ヒエラルキー)を使用して新たなプリセットと入れ替える必要があります。

プリセットの入れ替え

プリセットをアップデートして体験内の変更を古いバージョンに適用したい場合、ヒエラルキーを使用して変更することができます。

全く異なるプリセットオブジェクトを入れ替えたい時にもこの方法を使うことができます。

次にそのリストから入れ替えたいオブジェクトを選択します。

ビューポート内のオブジェクトをクリックし、Hierarchy のリストの中にあるオブジェクトをハイライトします。

選択後、ビューポート内のオブジェクトの名前の一番右側に隣に表示されるメニューアイコン(3本の横線のアイコン)をクリックします。

ドロップダウンメニューよりReplace with Preset(プリセットの入れ替え)をクリックし、ポップアップウィンドウから使いたいプリセットを選択します。

クリック後、設定が完了するとオブジェクトは選択したプリセットと入れ替わっています。

アセットのプリセット変更

アセットをスポーンするために使用したプリセットを残したまま新しいオブジェクトのプリセットを変更することも可能です。

新しいオブジェクトのプリセットを変更する場合、既存のカスタマイズした内容は反映されません。

入れ替えたいアセットをシーンまでドラッグして、必要に応じてビヘイビアやコンポーネントを調整します。

新しいオブジェクトを選択したらPreset をクリックして、入れ替えたいプリセットを検索します。

ここではSkeleton Warrior のプリセットと入れ替えます。

プリセットに新しい名前を作成し、Done をクリックして設定完了です。

設定が完了するとプリセットの新しい名前、アセット、紐づけされているビヘイビア、コンポーネント、パラメーターはスポナーに使用された以前のプリセットがあるライブラリや場所にも反映されます。

これによって従来のオブジェクトとそのカスタマイゼーションは完全に上書きされ、ライブラリのプリセットにはバックアップデータは残りません。

入れ替えるプリセットの元になるバージョンが体験内にない場合、そのプリセットを使用したい場合には再度設定する必要があります。

この方法で既存のプリセットを入れ替える場合、体験内の他の部分で以前のプリセットを使用する可能性が高いのであれば、プリセットの複製を作っておくことをお勧めします。

プリセットの削除

必要のないプリセットやプリセットのバージョンが増えすぎてしまった場合、プリセットを削除してリストを整理することができます。

ライブラリを開き、削除したいプリセットを検索し、右クリックをしてDelete(削除)を選択します。

プリセットを削除するとドロップやスポーンに使っているプリセットのビヘイビアやコンポーネントは機能しなくなりますのでご注意ください。

プリセットのスポーン

体験内でトリガーされた後に一度だけ現れるアセットのカスタマイズのためにプリセットを使用することが可能です。

デフォルト vs プリセット

プリセット無しでAsset Spawner(アセットスポナー)かDrop のコンポーネントを使用する場合、カスタマイズ可能な回数は限られています。

例えば、Health のコンポーネント はAsset to Spawn に追加することができますが、オブジェクトに設定するHealth の数値などの変数はカスタマイズすることができません。

すべてのカスタマイゼーションは既に保存されていて、Asset to Spawn として使用されたときに記憶されるため、プリセットを使うことでこの問題を解決することができます。

プリセットのスポーン

オブジェクトが倒されたときに、作成したSkeleton Warrior が一度だけ現れるように設定したい場合を例に出して説明します。

まず必要なアセットをシーンまでドラッグします。ここではSkeleton Warrior が隠れるCrate(クレート)を使用します。

次にHealth のコンポーネント を追加しオブジェクトが攻撃され、倒されるように設定します。

その後Drop のコンポーネントを追加し、Type of Drop をプリセットに変更後、プリセットのポップアップウィンドウよりSkeleton Warrior を選択します。

クレートが破壊されたときにカスタマイズされたSkeleton Warrior はコレクタブルのコインに設定したDrop のコンポーネントも含め、プリセットで設定された数値を反映させてスポーンされます。

プリセットのスタック

ここまではプリセットのベーシックな機能をご紹介しました。そしてここからはベーシックな機能を使用してプリセットのスタック(重ねて使用する方法)をご紹介します。プリセットをスポーンするビヘイビアやコンポーネントと共に使用する場合、プリセットをお互いにスタックすることができます。

新しいプリセットの作成

例えば、Skeleton Warrior が落としたコインがプリセットだと仮定し、カスタム設定ができるものとします。

その場合、名前の変更やCollectible のコンポーネントの調整に加え、スポーンした際に浮遊する動きを設定するためにBird(鳥)のビヘイビア を設定することも可能になります。

変更が完了したらライブラリを開き、左側にあるPreset をクリックして保存し、またCreate New から名前を付けることができます。

既存のプリセットに新しいプリセットを追加する

新しいプリセットが保存された状態でSkeleton Warrior のプリセットをシーンに配置し、新しいコインのプリセットと共にDrop のコンポーネントをアップデートすることができます。

Skeleton Warrior を選択したままDrop のコンポーネント の中のType of Drop をBehaviour からPreset に変更し、新たにカスタマイズされたMagic Coin(マジックコイン)のプリセットを選択します。

ライブラリを開き、左側にあるPreset をクリックしてから既存のプリセットを選択、名前の変更を行い、Done をクリックして変更が保存されます。

これで倒された時にSkeleton Warrior のプリセットが マジックコインのプリセットを落とすという設定が完了です。

プリセットをもう一つ追加する

この変更はプリセットがスポナーとして使用されていたどんな場所にも反映されます。ここではクレートのDrop のコンポーネントにもその変更が適用されることになります。そしてクレートもプリセットとして保存することができます。

プリセットを追加していくことでクレートのプリセットがSkeleton Warrior のプリセットをスポーンし、Skeleton Warrior のプリセットがマジックコインのプリセットをスポーンすることが可能になります。

クレートのプリセットはライブラリに保存されているので、シーンまでドラッグして何度でも使用することができ、これまでカスタマイズした内容がすべて含まれています。

親子化とプリセット

最後に、プリセット内でのヒエラルキーの設定の方法を紹介します。

オブジェクトがその他のオブジェクトの親である場合、そのプリセットは同じ親子関係を維持することになります。

プリセットがシーンに設定された場合、親のオブジェクトに紐づいているすべての子のオブジェクトはすべてシーンに配置され、その親子関係は引き継がれることになります。

この機能の紹介ではDesk(机)のアセットを使いながら、植物と椅子を使ってカスタマイズしていきます。

これらを移動させたい場合、机が移動すると植物と椅子も移動するように親子化をする必要があります。

オブジェクト間の親子化

使用したいすべてのオブジェクトがシーンにあることを確認してください。

Hierarchy のウィンドウを開いたまま使用したいオブジェクトを検索します。

机を親として植物と椅子に親子関係を作成したい場合、ヒエラルキーのリストにあるそれぞれのアイテム名をクリックして親となるオブジェクトの名前の上まで一つづつドラッグします。

これで机が移動すると植物も椅子も動く設定が完了です。

プリセットとして親を追加する

この設定は何度も使用することができるので親のアセットを選択するだけで様々なことが簡単にできるようになります。ここでは親のアセットの机を選択し、ライブラリを開き左側にあるPreset をクリックして新規のプリセットとして保存します。

これによって、ライブラリで机を選択してプリセットをシーンにドラッグするだけで親子関係のあるすべてのオブジェクトが含まれたまま親のオブジェクトが移動すると紐づけされたオブジェクトも一緒に移動するという設定ができるようになります。

ここで紹介したのは簡単な例ですが、同じ原理を様々なオブジェクト、ビヘイビア、コンポーネント、メッセージなどに適用することができます。

例えば動きを切り替えることができるスイッチのついたプラットフォームを作りたい場合にはスイッチを親のプラットフォームに紐づけしてプラットフォームが移動するとスイッチも移動するように設定することができます。

毎回再設定をする必要なくこの設定を体験内で何度も使用したい場合、プリセットとして保存した後、ライブラリにアクセスすることで簡単に使用することができます。

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